「厨房の中心で『よろしく』をさけぶ」



「はい よろしくぅー。」

これは 下膳場所にて
「ごちそうさま」。
と言われた時の返事。
厨房のいわゆる業界用語(?)である。
そのココロは 
「食べてくれてありがとう。また よろしくね〜。>^_^<」
という 意味だそうな。ほぉ〜(・o・)
聞かなきゃ 分からない・・・。
最初は 言いづらく戸惑ったが
慣れたらどってことない。

下膳場所に 常に誰かがいる訳ではないので
そこから「ごちそうさまでした」
という声が聞こえたならば 遠くの方で
「はーい。 よろしくー。」と
叫ぶこともしばしば。
誰が返事をするのか
決まっている訳ではないので
何人かでハモって返事したり、
誰かが言うだろうなぁ 
と気を抜いていたら
だ〜れもしないので 
慌てて返事をしたり・・・。
他メンバーの声や 
機械の音に負けまいとすると
余計に 大変。
厨房は いつも にぎやかなのである(騒々しい・・・?)

厨房の音は 外に丸聞こえ。
栄養メンバーの声も。
機械の音も。
調理する音も。
ついでに 匂いもつけちゃおう。
(おそらく見たことのない人には わかりにくいが
ほんとなのよー。)

確かに 厨房は
賑やかなとき(一段落ついた時)と
集中しているとき(忙しい時間帯)の
ギャツプは激しい。
いけません。
いけませんよーっ。とは 思うが、
なんせ 7人以上が 同時に動くから
指示を 出し合わないと 進まない。
「しゃべるなー」と言われれば
間違えて 息 止めるんじゃないかなぁ・・・。

そんなこんなで(なにが?)
病棟と厨房を繋ぐ「食堂」は
いつも 音が ある。

例えば 中央配膳として 
病室に食事が 運ばれるとする。
ベットに座って 一人で食事をする。
さあ「いただきます」
んで「ごちそうさま」
そこにある音は 限られる。

病院は 「お静かに!!」が 普通なのだ。
うーん。
そう考えると まきびの食堂は えらいことだ・・・。

厨房にいて 
患者さんの声が 聴こえない日はない。
笑い声だったり
怒ってる声だったり
しんどそうな声だったり。
それが しないとなると・・・。
なんか 違う?

病棟の音も聞こえる。
患者さんが ドアをたたく音。
物を 倒す音。蹴る音。
心配してしまう音だ。

日頃 自分の周りにある音が
どういったものか 深く考える事はない。
自然に 聞く・聴くといった動作をし、
脳で 情報処理されているらしい。
「声」といった音に関しては
結構 敏感だったりする。

例えば 事○所の人の声は 
安定したトーンとリズムで
さすがだなぁ と電話口なんかで思うのだ。

声の感じは 結構大事。
同じ言葉でも 声の雰囲気で違う。

食堂で 
自分がだす以外の音に 囲まれて 
食事をするということ。
自分以外の声を 聞きながら
食事をするということ。
患者さんは どうなんだろう?

余談だけど
子供の頃 田舎に帰った時。
無音だと思われた夜
その静けさの中で
「し――ん」って音がしていたのが
忘れられない。(これ わかるかなぁ・・・。)

「○―ちゃん」と
厨房のマダムたちに
名前を呼ばれる時
心配しているんだろう その声の優しさに
励まされ 反省することが多い。

人がだす音(声)を感じとる力と
人が安心できるような音(声)をだせる
人間になりたいと思う。
が 今日もまた 厨房で
「なんですとーーーっ(ぶちっ←理性の切れる音)」
と いやーな 音を出してしまう自分がおるのです。
あうう。(>_<)



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